骨を折った事はありますか?それはあなたの骨?それとも別の人の骨?
骨折したことが高校時代に一度だけある。
その日、バレーボール部の先輩(庶務、マネージャーの人)はとっても機嫌が悪かった。
台打ちブロックと言って、跳び箱の上に乗って打たれるボールを、ネットを挟んでブロックする練習メニューがあるのですが、運悪くその機嫌の悪い先輩に当たる。確か10本止めたら終了だったんだけれど、機嫌の悪い先輩は明らかに僕の手の端を狙い、思いっきり、ブロックアウトを狙ってくるのでそう簡単には止まりません。正直嫌になったけれど、いつまでも終わらないと他の先輩に怒られたり練習終わってから説教されたりするので、なんとかブロックしようと僕も必死に手を前に。
で、左手の小指がバキッと。
えらい痛かったけれど、最初は「突き指だ、突き指だ」と念じながら練習続行。騒いで骨折じゃなかったらかっこ悪いしね。しかし痛みは増すばかりで、終いには脳天に突き抜けるように。こりゃいよいよやばいなぁと思って痛い方の小指と痛くない方の小指を並べて比べてみる。
なんか短いYo!
しかもなんだか心持ち内側を向いている。こりは絶対折れてると思って、その加害者である庶務の先輩に申し出る。練習メニューは次に進んでいて、先輩はまさかあのときの自分が放った一撃が原因とは思っていない模様。「あぁっ?!」と一瞬「何やってんだお前」みたいな顔をされたので「お前がやったんだよ!」と言いたい気持ちを抑えつつ、先輩と自転車に二人乗り、接骨院へ。
レントゲン撮ると、なんと骨が竹を割ったように縦にぱっくり割れていました。斜めに。そんで付け根方向にちょっと旋回しつつ筋肉で引っ張られている為、短くなって、内側を向いていた訳。
治療は、引っ張る。引っ張って引っ張って引っ張って、ねじりながら引っ張って、で、正しい位置に押し込む、みたいな事を何度も繰り返し。接骨師(というのか知らないが)の先生は柔道黒帯強面という王道を行く外見を持つ方で、そんな方がフンフン言いながら僕の指を引っ張っては押し込み、引っ張っては押し込み。部位が小さいのでギブスはできず、テーピングでギッチギチに固める。
復帰までどれくらいかかったかなぁ。途中、無理して練習してボールが小指を直撃、くっ付きつつあったのがまた剥がれて「もうつかないかもなぁ」と先生に脅されたり、なんてこともありました。
で、そもそもどうしてあんな折れ方をしたのかというと、普通はそんな折れ方しないらしいのだけれど、どうも僕の骨が丈夫過ぎた、ってことらしい。何せ僕は当時、1日に2リットルは牛乳を飲むほどの牛乳好きで、骨の丈夫加減には絶対の自信がありましたから。あまりに丈夫過ぎて、普通はかかるはずの無い負荷がかかり、有り得ない折れ方をしたと。何事も「ほどほど」が良いようです。
ちなみに加害者である先輩には未だに謝罪してもらってません。今でも、あれが自分のせいだったとは思っていないでしょう。卒業後も何度か会っているんですけどね。なかなか言い出せない。ま、別にもういーんですけど。